化粧品セールス時代の夏の思い出もう、20年が経つ。20歳の頃、毎日ライトバンにダンボールを積み込み販売店を回る。暑い。何が暑いかって、駐車していた車に乗り込むとハンドルが握れない、お尻が焼ける、汗が噴出す。 しばらく走り、クーラーが効いた店内に入るとやがて汗が引く。そして、また暑い車に乗り込む。その繰り返し。 慣れぬ営業の緊張、売り上げ目標からの重圧感、暑い~寒い温度差からの肉体的疲労で頬はこけ、体重は55キロぐらいを行ったりきたり。常にゲリピー状態だった。 成績も上がらず、得意先からは怒られたり無視されたり、果ては解約を通告されたりと、営業に上がる前に抱いていた理想には程遠かった毎日。 でも、がんばってた毎日。希望に満ち、そうあの頃の目標はベンツに乗ること。とにかくベンツ。 今みたいに、輸入されてなく街で見かけることも少なかった超高級車。憧れてた。 営業車で走行中、その雄姿を見つけと追跡が始まります。後ろについて、あれこれイメージします。もう気持ちはオーナー気分。こころいくまで堪能したらまた、得意先へ。 その頃、付き合っていた彼女から将来のことなどの話題になると「わるいけど、俺ベンツに乗る。だから普通の家庭は難しい」今となっては、まったくわけのわからない持論を夜の公園で語ってた。 熱かったなー。今でも鮮明に思い出す。すべてが新鮮ですべてがドラマチックだったあの頃。 暑い日がくると思い出す。 |